こんにちは!kumoriのお部屋へようこそ。
今回は、データを一時的に保存し、必要に応じて再利用できる「変数」について解説します。
変数の概要、歴史、コード例などを初心者の方にもわかりやすく描いていきます。
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変数とは、値を入れて使える「プログラムの箱」
変数とは、プログラムの中でデータを一時的に保存しておくための「箱」のようなものです。
友達の電話番号をスマホに登録するように、プログラムでもデータを記憶して後で使うために変数を使います。
ゲームのスコアや買い物の合計金額など、プログラムはさまざまな情報を扱いますが、
それらを変数に保存することで、必要なときに呼び出したり変更したりできます。
つまり、変数があることで、プログラムが柔軟にデータを扱えるようになり、便利になるのです。
変数の歴史は、コンピュータの誕生とともに始まった
「変数」という考え方は、コンピュータが生まれたころから使われています。
1950年代、最初のプログラミング言語である「Fortran(フォートラン)」や「LISP」で、
データを一時的に保存しておくために使われていました。
これにより、計算や処理のたびに違う値を扱えるようになりました。
その後、1970年代に登場した「C言語」では、変数に「型」というルールを加えることで、より効率的にデータを管理できるようになりました。
最近の「Python」や「JavaScript」といったプログラミング言語では、型を意識しなくても変数が使える「動的型付け」という仕組みが採用され、より簡単にプログラミングできるようになっています。
変数の進化によって、プログラムはどんどん扱いやすく、便利になっていきました。
型とは、データの種類を示すものであり、
代表的なものに整数を表す「int」、文字列を表す「String」があります。
なぜ変数が必要なのか?
そもそもプログラムは、コンピュータに「何をするか?」を伝えるための命令です。
「こんにちは」と表示させるプログラムを書けば、コンピュータはそれを実行してくれます。
ですが、プログラムがもっと複雑なことをするためには、「覚えておく力」が必要になります。
この『覚えておく力』を実現するのが変数であり、だからこそプログラムに必要な存在なのです。
変数を使わないとどうなる?
変数を使わないと、次のような問題が発生します。
1. データを変更する時の作業が多い
りんごの値段を表示するプログラム(Python)で考えてみましょう。
変数を使わない場合:
print(“りんごの値段は120円です”)
print(“合計金額は、りんご3個で360円です”)
もし、りんごの値段が150円に変わったら?
# ここを変更
print(“りんごの値段は150円です”)
# ここも変更
print(“合計金額は、りんご3個で450円です”)
問題点:
・すべての数字を手作業で直すのは面倒
・修正漏れがあると、計算ミスが発生する
変数を使う場合:
りんごの値段 = 120
print(“りんごの値段は”, りんごの値段, “円です”)
print(“合計金額は、りんご3個で”, りんごの値段 * 3, “円です”)
りんごの値段が150円に変わったら?
# ここを変更するだけ
りんごの値段 = 150
print(“りんごの値段は”, りんごの値段, “円です”)
print(“合計金額は、りんご3個で”, りんごの値段 * 3, “円です”)
※このコードでは、「りんごの値段」が変数です。
※「#」は、コメントアウトとして使っており、プログラムの動作には影響しません。
こんなに違う!
項目 | 変数なしの場合 | 変数を使った場合 |
---|---|---|
修正する場所 | 2カ所 | 1カ所だけ |
修正ミスのリスク | 高い(修正漏れの可能性) | 低い(1カ所で完結) |
作業の手間 | 多い | 少ない |
2. データの意味が分かりにくくなる
プログラムに数値や文字列をそのまま書き込むと、「この数値は何を意味しているのか?」 が
分かりにくくなります。
特に、コードが長くなればなるほど、どの値が何を表しているのか把握するのが大変になります。
例えば、商品の価格計算をする場合…
変数を使わない場合:
print(120 * 3 + 200 * 2 + 150 * 5)
このコードだけでは、一体何を計算しているのか分かりづらいですよね。
問題点:
・数値だけでは何の計算をしているのか分かりにくい。
・修正するとき、どの数値がどの商品か分からなくなる。
・他の人が見たときに、理解するのに時間がかかる。
変数を使う場合:
りんごの値段 = 120
バナナの値段 = 200
みかんの値段 = 150
合計金額 = りんごの値段 * 3 + バナナの値段 * 2 + みかんの値段 * 5
print(合計金額)
変数を使えば、データに名前をつけることができ、何を計算しているか一目で分かります。
このように、変数を使わないコードは手間がかかり、修正や管理が煩雑になります。
しかし、変数を適切に使えば、よりシンプルで合理的なコードを実現できます。
変数には、「ルール」や「命名規則」がある
プログラムを書くときには、「変数のルール」と「命名規則」 というものがあります。
ルールは、 「守らないとエラーになる決まり」のことで、
命名規則は、「より分かりやすく、管理しやすいコードを書くための指針」です。
ここでは、Pythonを例に説明します。
1. Pythonの変数のルール(守らないといけないもの)
Pythonでは、主に次のルールを守らないとプログラムが正しく動きません。
- 変数名は「数字」で始めてはいけない
-
1apple = 100
(エラー) →apple1 = 100
(OK)
-
- 変数名に「スペース」を含めることはできない
-
my price = 200
(エラー) →my_price = 200
(OK)
-
- 「特殊記号(!@#$%^&など)」は使えない( _ はOK)
-
fruit@price = 300
(エラー) →fruit_price = 300
(OK)
-
- Pythonの予約語は変数名にできない(例:
if, for, while, def
など)-
if = 50
(エラー) →condition = 50
(OK)
-
2.Pythonの変数の命名規則(わかりやすくするための推奨事項)
ルールを守ればプログラムは動きますが、適切な命名規則を使うことで、コードが分かりやすくなり、管理しやすくなります。
Pythonでは、主に以下の命名規則が推奨されています:
- 意味のある名前をつける
-
a = 50
(NG:何のデータか不明) -
apple_price = 50
(OK:何を意味する変数か分かる)
-
- スネークケース(snake_case)を使用する
- 変数名は単語の区切りにアンダースコア(
_
)を使うのが一般的です。 - 例:
total_price = 1000
、user_name = "たかし"
- 変数名は単語の区切りにアンダースコア(
- 大文字と小文字の区別に注意する
- Pythonでは変数名は大文字と小文字を区別します。
- 例:
price
とPrice
は別の変数として扱われます。
このように、ルールと命名規則を守ることで、エラーを防ぎつつ、理解しやすいコードを書くことができます。
また、チーム開発や後からコードを見直す際にも、
適切な変数名を付けることで、スムーズに作業を進めることができます。

「定数」という、後から変更できない値も存在する
プログラミングでは、変数のほかに定数というものがあります。
変数は後から値を変更できますが、定数は一度設定すると変更できない値を指します。
例えば、消費税率や最大値など、プログラム内で変わることのない値に定数を使用します。
Javaでは、定数を作る際にfinalキーワードを使い、値を固定します。
例えば、「final double TAX_RATE = 0.1; 」のように記述すると、「TAX_RATE」は変更できない値として扱われます。
さらに、定数は通常、大文字のスネークケースで記述するのが一般的なルールです。
定数を使うことで、コードの可読性が向上し、誤って値を変更するミスを防ぐことができます。
そのため、変更の必要がないデータには、変数ではなく定数を使用するのが望ましいです。
次に学ぶべき記事を紹介
変数の種類を正しく扱うために、次は「データ型」について学びましょう!
最後に
ここまでブログを読んでいただき、ありがとうございました!
変数を理解することで、プログラムがどのようにデータを扱っているのかが見えてきますね!
プログラミングは、ルールを学ぶだけでなく、自分のアイデアを形にできる楽しい世界です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、できることが増えていくと、どんどん面白くなります。
コードを書いて試してみることで、知識が深まり、やりがいを感じる瞬間がきっと訪れます。
これからも楽しみながら、プログラミングの世界を探求していきましょう!